セミナー&フォーラム TCS、第19回歴史都市防災シンポジウム(京都市)にて特別セッションを共同開催 2025-07-12 ~ 2025-07-13
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日中韓三国協力事務局(TCS)は、京都の立命館大学で行われた第19回歴史都市防災シンポジウム(2025年7月12日)に際し、2025年7月12日から13日にかけて特別セッションを共同開催しました。本シンポジウムは立命館大学歴史都市防災研究所(R-DMUCH)が毎年開催しており、今年は日中韓文化交流年(2025~2026年)にあたることから、TCSとの共同開催が実現しました。 

 

TCSはコラボレーションの一環として、被災文化財・史跡の復旧・減災 日中韓地⽅⾃治体間特別セッションを開催しました。本セッションは、知識とベストプラクティスの共有、および地域協力の促進のために貴重な場を提供しました。また専門家、政府関係者、実務者が各地域災害の現状について議論し、文化遺産と歴史都市の保護戦略について詳細な検証を行いました。 

 

開会式では、顔亮(ヤン・リャン)TCS事務次長による開会の挨拶、吉富信太R-DMUCH所長による歓迎の挨拶、また塩川達大文化庁文化資源活用課長による祝辞が述べられ、⾃然災害の頻度が高まる中で、文化遺産の防災対策を互いに議論することの重要性が強調されました。 

 

基調講演では、任涛(にん・とう)氏(中国西安市地震局長)、原田仁史氏(石川県教育委員会事務局文化財課長)、KIM Hyung Suk氏(韓国新羅文化遺産研究院先任研究員、復元整備チーム長))が、それぞれの施策と取り組みについて説明しました。また、司会は大窪健之立命館大学環境都市工学科教授が努めました。プレゼンテーションに続いて、国連防災機関(UNDRR)がワークショップを実施し、文化遺産防災の制度的取り組みに対する評価指標を通じて、地⽅⾃治体の職員や関係者が文化的かつ人間中心の災害リスク軽減およびレジリエンス戦略を、文化遺産とその開発政策に組み込むための⽅法を提示しました。 

 

また、参加者は紙を素材とする文化遺産の修復技術で有名な株式会社大入を訪問したほか、京都の伏見区を訪れ、堀川沿いの伝統的な街並み、伏見十石舟航路、黄桜カッパの酒蔵など、水害に弱いとされる文化財地域を巡りました。 

 

本シンポジウムでは、地域協力と革新的な戦略を通じて、かけがえのない文化遺産を⾃然災害から守ることの重要性に主眼が置かれています。そして、参加国および参加機関のネットワークと相互理解を強化し、東アジアの歴史都市が持つ独⾃の文化アイデンティティを継続的に保全するうえで重要な役割を果たしています。 

  

▲開会の挨拶を述べる顔TCS事務次長 

  

▲被災文化財・史跡の復旧・減災 日中韓地⽅⾃治体間特別セッション 

  

▲UNDRRによるワークショップ 

  

▲集合写真