第2回日中韓安全協力国際シンポジウムへの出席(2016年5月30日-31日、中国・北京) 2016.12.23

2016年5月30日から31日にかけて、中国・北京にて第2回日中韓安全協力国際シンポジウムが開催されました。本シンポジウムは、中国国際問題研究院が主催し、日中韓の政治・安全保障分野に携わる政府及び学術界より50名以上の関係者が参加しました。肖千(しょう・せん)中国外交部アジア局局長が基調演説を行い、徳地秀士元日本防衛省審議官、金錫友(キム・スグ)韓国21世紀国家発展研究院院長及び楊厚蘭(よう・こうらん)日中韓三国協力事務局長がスピーチを行いました。

楊局長は、スピーチの中で三国協力の可能性と課題について言及し、現在の北東アジア地域における複雑な安全保障状況下で、相互の信頼を深め懸念を払拭し、安全保障面での実現可能な協力を模索するために対話を重ねていくことが重要であると強調しました。また、事務局がこれまでトラック2における対話の場を作り、日中韓の安全保障協力を推進してきたことに言及し、率直な意見交換ができるプラットフォームの構築に向けて三国のシンクタンクと共に協力していきたいとの考えを表明しました。さらに、三国の安全保障分野における協力推進のために、1)各国の安全保障政策についての情報交換と地域安全保障協力の概念の導入、2)域内の機微な問題に対する適切な対応、3)非伝統的安全保障分野での協力強化、4)北東アジアにおける安全保障構造のアップグレードといった提案を行いました。

続いてのセッションでは、1)現在の東アジア安全保障の状況に対する評価、2)主要各国の安全保障政策の新たな進展、3)地域安全保障の課題の明確化、4)三国安全保障協力の政策提言などのテーマで、参加者は白熱した中身の濃い議論を展開し、東アジアにおけるの持続的な平和と安定、共栄のためには経済的相互依存と安全保障の緊張が共存する現状況を克服すべきであるという点で一致しました。

日中韓安全協力国際シンポジウムは、三国の安全保障協力のための学術的交流の促進及び政策提言をおこなうという先駆的な試みを行っています。第1回シンポジウムは2015年に北京にて開催されました。